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小さく静かに場を作る

長島美術館で開催された「ぞ展」での、2回目のミュージアムコンサート。
1回目の状況を踏まえて関係者の打ち合わせが行われ、日頃は貸し出しをしないという場所を特別にオープンにしていただくことになりました。

前日に演奏者の立ち位置と、最前列の椅子の並びを準備。
立ち見になる方の位置を床にぽちぽち貼って、最大50人の目安を作ります。
多くの方が来られることが予測されていたので2部入替制にし、1回の演奏時間をさらに短くして15分に。
(→立ったままの方が多いので15分が限界だろうと、急きょリピートの見直しを大幅に実施)

前日深夜まで「ぞ展」メンバーの方たちの中には、人員配備の連絡が回っていました。
入れ替わりの混雑回避のために、展示観覧とコンサートの分岐点で案内プレート片手に、全員が誘導の配置について受付体制を整えてくださったのです。
駐車場にまでしっかりと案内の人を立てて。

私自身も初めての状況で、正解が全くわからぬまま。「中止にしましょう!」と言ってしまった方が良いのではないかと、何度も思いました。

それでも…万全の体制を整えて、誰かがやらなければ、このまま音楽や美術をまるごとゆったりと楽しむ場がしぼんでしまう…。そんな祈りにも似た思いが、最後まで私を奮い立たせてくれていました。

開始時間前には嬉しそうな表情の方たちがゆったりと集まり始め、受付後は混雑を避けるために外で桜島を眺めながら過ごされたり、作品鑑賞に出かけられたり。
時間が来たらふわっと集まって、空間に描かれる音色を楽しんで、穏やかに終演となりました。

StageA-1:サンマルティーニ/ソナタ
StageA-2:バッハBWV869

StageB-1:モーツァルト/ディヴェルティメント

ステージに立ってくれた音楽の仲間は、練習の時から本番までとにかくいつもずっとニコニコで、楽しそうに一緒にいてくれて。
それが演奏が始まった瞬間、一緒に音楽の世界に飛び込める集中力がすごくて、一瞬で私にすべてのことを忘れさせてくれました。

●9月26日(土)のトリオ

今のこの状況の中で、楽しめる場をどう作ってみるか。
大勢が集まることを避けて、むしろ集まらないからこそ楽しめることにトライしたい。
この春からの状況を経て、表現すること、場を作り出すことの意味を自分に問い直し続けた「ぞ展」でした。

●9月20日(日)のトリオ+ゲスト

すべては会場である「長島美術館」、「ぞ展」の皆さま、来てくださった理解ある大勢の方々のおかげです。
ありがとうございました。