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薩摩切子のお仕事

島津薩摩切子のお仕事を引き受けるようになり、2年ほどになるでしょうか。
手の先に輝く小さな宝石のような猪口から、凛々しい薩摩の姫君のような大花器まで、時間をかけてじっくりと取組ませていただく幸せは、鹿児島でデザインの仕事をやってきてよかった…の一言です。

(↑2016年末に完成したパンフレット)

作品の仕上がりを待ちながら、全体の構成を計画し、何種類もの紙の候補を選び、スケジュールを立てる。いざ撮影では、スタジオにこもってモニター前に陣取って、関係者揃って首を突き出して浮かび上がる姿を凝視する。
「美人ーーー!」と声が上がったら、OK(笑)

そこから先は、届いた高解像度写真データとの愛すべき時間。モニターの中にきらめく薩摩切子と話しながら(本当にぶつぶつ喋っています…)仕事し続ける時間の幸せなことといったらありません。ずっと美しいものを見続けていられるのですから!

パンフレットを企画編集したり、デパートでのリーフレットを作成したりと続き、いよいよこの夏、日本橋三越へ向けての準備が進行しています。

広報告知が始まり、3つ折りのリーフレットは既に配布中ですので、ちらりと色校の一端をお見せしてみます。

現在は、本展でお客さまに更に惚れていただくための図録をデザイン、編集中。
この薩摩切子を作りあげる方々の情熱と仕事の細やかさに、私もすっかり感化され、その姿を紙面に載せるデザインの役割に身が引き締まる思いです。
ここからのやたらと細かい粘りが、時間との戦いがデザインの腕の見せ所。笑いながらがんばります。