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インプロビゼーション

先日のアートの森での演奏〈石と祈り〉の際、祈りの曲を吹きながらふと2階の手すりから見ている二人の女性と目が合いました。
その気配には独特の雰囲気があり、思わず演奏を続けながらぺこりと会釈などしてしまいました。

実は、そのお二人は身体での表現をされる方でした。

演奏終了から数日後、コンタクト・インプロビゼーショングループC.I.co.(勝部ちこさん、鹿島聖子さん)の企画に誘われて、閉館後の夜のアートの森でのセッションに参加させていただきました。
なんの打ち合わせもなく、外からの自然光が落ちるにつれて照明に浮かび上がる、刻々と変化する溶岩彫刻作品。そこに現れる美しい身体と、声と、笛の音。

フォトグラファーであり、企画編集もされる聖子さんにカメラの設定をお任せして、私がシャッターを切ったりもしました。被写体となるご本人を写すには、デザイナーである私が適任であろうと…!
ハングドラムを叩きながら声を紡ぐ演奏家さんから「向き合って一緒にやりませんか?」と言われたら、「わーい、楽しそう!」と遠慮なく。
互いの音に素直に反応し合いながら、あれこれと自由なセッション。同じ空間には美しき身体と、それを受け止める静かな石…。

デザインという仕事をしているので、日頃は〈アート〉という世界から意識的に距離を取っていますが、音楽で関わるのは素直に心地良く、心のどこかで懐かしさすら感じてしまいました。

私がシャッターを切ったデータ(一枚目の腕のほう。二枚目は聖子さん撮影です)をいただいて、美しい時間と空間のお礼に2点ほどデザインしてみました。

編集された映像作品、ぜひ霧島アートの森でご覧ください。

「悠久の破片」The fragments of eternity
上映期間:6月2日(土)〜10日(日)開館中リピート上映
上映場所:霧島アートの森アートホール展示ロビー 八田隆彫刻展会場

出演:コンタクト・インプロビゼーショングループC.I.co.
彫刻:八田隆
身体:勝部ちこ・鹿島聖子
声・ハング:蓑茂尚美
リコーダー:花田理絵子
撮影・編集:鹿島聖子
監修:勝部ちこ