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音楽のパッケージをデザインする。

図録など一式を担当させていただいた「薩摩切子作家 中根櫻龜展—水の記—」。
どのような雰囲気で開催されているのか、この目で確認すべく初日から東京へ出かけてきました。

羽田から会場の日本橋三越に直行すると、「場に負けない、とは、こういうことか!」というほどの盛況ぶりでした。
作家の中根櫻龜先生、マネージャーのT氏、スタッフのKさん、その立ち振る舞いと醸し出される余裕の接客は圧巻でした。談笑されるお客さまも嬉しそうで、この空気感を感じられただけでも飛んで行って良かったです。

それに加えて、今回は音楽関係の方よりCD制作にあたってのデザイン打ち合わせが入っておりました。
しかも2件…いや、最終的には3件か。
特に、お一人の方はレッスンに同席させていただき、音色を感じたり、雑談の中にお人柄を感じたりと、デザインするにあたって大切なものをたくさん感じ取ることが出来ました。

媒体は、CDという、形のない音をくるむパッケージ。
そう、いつもの私の仕事そのまま。
鹿児島ではなかなかCDデザインの機会はないのですが、直接お会いして打ち合わせをさせていただくと、確実にそれぞれのお人柄が見えてきます。
音色や選曲はもちろんですが、何がお好きなのか、どんな話し方をされるのか、ちょっとした仕草にもデザインのヒントがたくさん見えてきます。

参考までにと、不躾ながら演奏中にシャッターを切らせていただいたのですが、曲の流れを感じるままに拾ってゆくと、美しい姿を次々とつかまえることが出来ました。

私も音楽を愛する者として、室内楽の一員としてご一緒出来たような…部屋の外は猛暑だというのに、爽快で、幸せなひとときでした。