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秋の藪庭にて

秋の日差しが眩しくなってきました。
輝きの質が違ってくると、目に見える藪庭の様子も表情が変わります。

枯れ草が揺れて輝く金色のバリエーション。
歩くたびに踏みつけた落ち葉からふわりと漂うカラメルの香り。
私の一番好きな季節。

藪庭にしゃがんでいられる時間は相変わらず長くはないけれど、「あ、ここにこんな植物を植えたら似合うかもね」と思いを巡らせるのも、楽しいひと時。

もさもさと生い茂った藤袴に飲み込まれてしまったイングリッシュローズが、秋の一輪を咲かせてくれていました。
(さすがに掘り出して場所を変えてあげよう…)

「クイーンオブスウェーデン」という名前に申し訳ないほど、私が咲かせる薔薇は小さくて、クイーンと呼ぶよりも「プリンセス」のほうがぴったりかも。

立派なローズガーデンに咲いている同じ薔薇は、もっと大きくふわりとしたくす玉のようでしたから、薔薇愛好家から見たらだめな育て方かもしれません。
でも、私はこんな一枝があるだけで、とても嬉しいのです。

さて、また別の薔薇の苗を地面におろしてあげたくなったので、藪庭を奥へと拡張することにしました。写真でお分かりの通り、人が手を入れなければ、本当にあっという間に「藪」なのですよ。
手前でにょきにょきしているのは、イタリア生まれの銘花「バリエガタ・ディ・ボローニャ」。いつの間にか自由に伸び放題…野良のよう。

もう何年も草を刈り敷いているので、藪の下からはふかふかの土が出てきます。
無尽に走る太い根を取り除くのはちょっと大変ですが、土がずいぶんと柔らかくなっているので、
コツをつかめばそう時間はかかりません。

植え付けるのは、今年の5月にやってきて鉢植えで夏を越していた「レイニーブルー」。
薮庭にぴったりのこの薔薇(最初の写真の野菊と同じ色合いだったことに、今ごろ気づきました)、しっかり根を張ってくれますように。