0

お正月支度(餅つき)

いよいよ歳の瀬です。
あまり大げさなお正月の支度をすることもないのですが、必ず自分で餅つきをして、小さな鏡餅(お飾り)を用意しています。スーパーで買うのも味気ないし、仕事場やお仏壇などあちこちに飾るとなると幾つも必要になり、けっこうお高くなってしまうのです。

私流の餅つきはもちろん石臼と杵でぺったんぺったんではなく、ホームベーカリーサイズの機械(こねるタイプの餅つき機)を使います。
この餅つき機と、前夜から水に浸しておいた餅米を車に積んで、いざ実家へ(実家の大きな餅つき機は古く、出すのも大変なので、人に譲ってしまいました)。

ありがたいことに仕事のご縁で餅米を頂いたので、かかるのは私のささやかなお米を研ぐ手間と浸水させる時間のみ。8合(お飾り用の丸餅)+8合(切り餅)+5合(としかさ用)の3回に分けてつきます。


餅つきの最後の回では蒸す時に小さく切ったさつまいもを入れ、一緒につき上げるのが「としかさ」です。鹿児島ならではの締めくくりなのでしょうか、柔らかくて黄色っぽいお餅にあんこを絡めていただきます。

予め粒あんを炊いて行ったのですが、なぜか母がいきなりミキサーで潰しはじめ、微妙な舌触りのあんに変身してしまいました。…うーん…よく分からない…。こんなことは初めてです。ま、お餅も柔らかく仕上がって、美味しいお昼になりました。

日頃いっぺんに8合とかのお米を研ぐことはないのですが、私が愛用しているのはこの「米研ぎ笊」なるもの。ちょっと大きめのものを買ったので「使いづらいかな?」とも思ったのですが、なんのなんの、本当に重宝する優れものでした。

笊にお米を入れ、水を張った大きなボウルでかき混ぜれば、あっという間にきれいに研げてしまいます。うるち米よりももろい餅米も優しく研ぎあがるのです。
水を切る時も持ち上げて「じゃっ!じゃっ!」とすればおしまい。一粒のお米もこぼれません。昔ながらの生活の道具は、使うたびに納得がいきます。

私が子どもの頃はひいおばあちゃんを筆頭に、おばあちゃん、母、私(助手兼味見係)と、そろって庭で薪をくべて蒸すところから支度をしたものですが、今ではもう私がちんまりと機械で作るくらい。
母も毎年「もうお餅は買って来ようか」とこぼすのですが、自分でつくからこそ作れる最後の「としかさ」を食べると、「やっぱりこれがないと年を越せんねぇ」と嬉しそうにしています。

小さな餅つき機ひとつで手軽に出来るご時世に感謝しながら、やっぱりこれからもなるべく続けてゆきたいと思うのでした。