すっかり恒例となってきた鹿児島市立美術館〈む展〉でのリコーダーコンサートのお知らせです。
吹き抜けの大理石のエントランスでの演奏は、こんな贅沢をしてもいいのだろうか…と毎回思わずにはいられません。
武蔵野美術大学を出ているから、美術館で演奏が出来る。
ほんとうに申しわけないくらいの、まさかの展開です。
初めての時は「いいのかなー。〈む展〉の企画とはいえ美術館の人に嫌な顔されないのかな？」と、少々探りながらでしたが、もう4回目ともなれば恐いものはありません。
展示作品の搬入日が、そのまま私たちの現地リハーサルとなります。ガンガン響くトンカチの音と、館内に広がるリコーダーの音色の不思議なハーモニーに、「ものすごく贅沢な搬入日だよねぇ」と喜んでいただいています。
作品制作だけに止まらず、企画展のポスターもパンフレットも、搬入設置も、全部自分たちでやってしまうムサ美の面々は、こうして専属のバロック演奏部門まで自前なのですから、表現することに対して縛ることをせず、本当に自由で柔軟です。
やっぱり35回も続いて来たのは、武蔵野美術大学の持つ校風の中、のびのびと育った先輩たちのおかげかと思います。
「一曲でいいから、みんなが知ってる曲を吹いてね（笑）」
それだけですね、今回の先輩からの注意事項は。
「はーい」と元気にお返事をして、あとは全部、美しくて素敵だけど、ぜんぜん聴く機会のない曲にしてみまーす。
美しい残響のエントランスで吹くと、楽器の持つ力がより引き出されるのか、普段は出しづらい高音が伸び、低音もしっかりと響きます。
今回は春らしくソプラノの曲多めの一方で、グレートバスとバスの曲もしっかりと演奏する予定です。
音響機材一切なし、笛の音色だけでどこまで空間に春を描けるのか…。
ぜひこの機会にお越しくださいませ。
「第35回 む展-新時代-」
2019年3月19日（火）〜24日（日）
9：30〜18：00（最終日は16：30まで）
入場無料
鹿児島市立美術館
リコーダーコンサート「花と小鳥」
3月21日（木祝）11：00〜／14：00〜（演奏時間：約60分）
演奏／Yanakita piccoline
星野弓絃葉・星野三香・狩集佳代子・花田理絵子