梅雨入り宣言が出てから最初の晴れが続く頃、我が藪庭の桃がぴたりと収穫の時期を迎えます。この鹿児島に不似合いな、デリケートな桃を無事に収穫出来るのは「極早生」の品種だから。
鹿児島市の甲突川河畔で開催される木市で、「やっと自分の土地を持てたのだから、果樹を植えよう」と探していて、お勧めされたのが桃でした。
「極早生だったら梅雨の最初のタイミングで、ぎりぎりちゃんと収穫出来るよ!」と、果樹の苗木を売っているお姉さんが背中を推してくれたのです。
それから見事「桃栗三年」で実りはじめ、時には300個以上もの実をつけ(摘果しないのでそうなった)、友人たちに助っ人をお願いして大量の桃ジャムを仕込む羽目になったり、今の時期恒例の光景となりました。
今年は良心的な数で収まりまして(笑)
たまたまタイミングよくやってきた人に「保存が利かないのですぐに食べてね」と食べきれる分だけ差し上げたりしながら、一週間ほど毎朝食べて無事に処分完了。
ヨーグルトと、藪庭のブルーベリーで作ったソースをかけるのが定番。
摘果をしないので隣り合う実の隙間から痛んでしまい、「間を空けてあげたらいいんだけどなぁ…」と、毎年毎年、思うのです。
無農薬無肥料で、藪庭の中に植えっぱなしだからなのか、とっても甘くて柔らかくていくらでも食べられる桃が、毎年いっぱい収穫出来るのに。
ちょっと一手間、ほんの半日の時間を割いて摘果するだけで、まるまるっとした実がつくのでしょうけれど。
たまたまひとつ、いい場所にぽつんと実っていた桃がありました。
追熟のために数日台所に置いていたのですが、痛む気配もなく(他のはじわっと痛む気配があります)、食べてみたらやはり一番の美味しさでした。
充分に手をかけてあげられる状況になれないのは申しわけないけれど、せめて感謝していただきますので、もうちょっと待っていてね。
タイミングを見て藪の草払いをしたり、枝を整えたり、地味に生育を気にかけながら、藪庭に育つ木々や果樹との付き合いは続きます。