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心穏やかに。

まだまだ先の見えない身動きの取りづらい毎日が続いていますが、私自身があまり人混みや大勢での会合を好まないということと、田舎に暮らす自営業という状況のおかげで、なんとか穏やかに暮らせています。

突然の世界の変化から一年が過ぎ、昨年の春のなんとも言えない閉塞感に比べれば、少しは息の仕方に慣れてきたようにも感じます。

しかし、この状況がなんとか回復したとしても、すべてが以前と同じには戻らないでしょう。
せめていい方向へと静かに進化できる、生物としての私でありたいです。

まずは、春が始まる前に桂造園さんにお願いして、敷地内の大胆な植栽の手入れを行いました。
健やかな枝葉を伸ばしてもらうために、傷んだ部分を落とし、光が回るように枝をすいてもらいます。

手が届くところ、耕せるところは、すべて自分で手をかけます。

芽吹きの前にしっかりと春を迎える支度をするだけで、10年近く一緒に育ってきた植物たちは、ふわふわと花を咲かせてくれます。
私は緑が多いほうが好きなので、細々とした植物は植えません。宿根草や球根を紛れ込ませる程度です。
色合いもトーンを揃えて、女の子っぽい(?)ピンクや、強い黄色は入れないようにしています。



せっかくですから、お花屋さんでは並ばないフランス生まれのオールドローズを中心に。
ばらにばかり時間を裂ける訳もなく、私が行うのは最低限の手入れだけですが、土地に合う事がわかるとオールドローズは本当に強いと感じます。

毎年変わることなく、同じ花が咲き揃います。

芍薬も植えっぱなしで手間いらず。
余計な手間はかけないけれど、愛情と感謝はたっぷりと(笑)

音楽も静かに学びを深めています。
小さなコンサートも、ぽつりぽつり。

以前だったら、しっかり告知をして、多くのお客様に来ていただいて…という感じでしたが、今では「お好きな方にそっと伝えて、少人数で安心して音楽を楽しむ」「感染対策をきちんと行い、関係者は日頃からの行動に責任を持つ」というスタイルに変わりました。
一年かけて、なんとなく気持ちの落ち着きどころが分かってきました。
鹿児島という環境(状況)だから、まだなんとか工夫してやれるのだと思います。
信頼しあえる人と大切な時間を分かち合うことのありがたさ…音楽をやっていてよかったと、心から思います。

目や耳に入ってくる無責任に垂れ流される情報に惑わされず、自分のなすべき仕事をし、暮らしを整え、健康に気を配り、学びを深める。

とにかく慌てず、騒がず、落ち込まず。
心穏やかに。

たくさんの植物たちが、美しい音楽が、私の背中を支えてくれている気がします。