社会福祉法人 善興会のパンフレットを4施設ぶん、まとめてご依頼いただきました。
今回は理事長である青木隆子さんからイラストレーターの大寺聡さんと組んでのご指名で、一気に雪崩れ込んで制作に突入。
年齢が近い3人だからなのか、度胸のついたお年頃だからなのか、忌憚のないやりとりを重ねていきました。
「パンフレットを作り上げる」という作業は、介護の現場の方にとっては通常業務とは全く異なり、見当のつかないお仕事だと思います。制作する私たちにとってもすべて県外の施設であり、時節柄、現場を見学することも出来ません。
直接会ったことのない、大切で大変なお仕事をされているスタッフの皆様がどう感じておられるのか、何を伝えたいと思っているのか。
理事長の持ち込む膨大な情報と、その牽引力に気圧されながら、現場のことを最大限に想像しながら作らせていただきました。
打ち合わせを元にして、まずはレイアウトを提案して行きます。
イラストもざくざくっとラフから始まります。
適切な写真や言葉になっているか。
空気感を伝えるイラスト(とはいえ現実に即したもの)になっているかなど、しつこいくらいに精査します。
かなりねちねち、しくこく、スピード感を保ちながら精査を繰り返し、どんどん精度を上げて仕上げに向かいます。
これ…ギヴアップして、キレる人はキレると思います。
でも悪い方へ向かう作業ではなく、より良くするためのプラスの作業なので、多少の無理があっても私はやります。
負けません(…自分に・笑)
さて、私が老人ホームや施設のパンフレットを立ち上げる(初めてのパンフレット制作を引き受ける)のは、これが3施設目となります。
今回のお仕事を進めながら、今までになく私自身の置かれている状況を見つめ返すことが多く、「これは他人事ではない」と何度も思わされました。
施設に入るご本人の気持ち。
送り出すご家族の気持ち。
受け入れる側の思いや、その仕事の大変さ。
スタッフ一人一人の気持ち。
あらゆる角度からの思い、視点が交錯しました。
私の仕事は、そのあらゆる立ち位置の方が少しでも「ここを選んで良かったのかもしれない」と思ってもらえるようなものを作ること。
見た目や並んだ言葉の綺麗さではなくて、現場にいらっしゃる方の気持ちが素直に伝わるものを作ること。
一日でも長く、この「必要としてくれる人のために作る仕事」を続けて行けたらいいな…と願う最近です。
社会福祉法人 善興会
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