5月15日、ありがたいことに島津薩摩切子のカット体験に参加することが出来ました。
いきなり二色被せの猪口をカットだなんて、貴重極まりない体験です。
参加者は10名ほどでしょうか。工房にお邪魔して一人ひとりに職人さんが付いてくださいます。
とはいえはじめて座る高速回転する機械を前に、「はい!どうぞ!」と言われ、高価な島津薩摩切子の表面を当てるのはかなり度胸がいります。
一本一本の線を正確に刻むのは、ほんとうに難しい!
微妙に線がずれてしまったら、担当の職人さんが「ここを狙ってカットしたらきれいに揃いますよ」と、マーカーでちょんっ!と印を付けてくださいました。
その印を削るように機械に当てると…あらすごい。
「先生! できました!」
「おお! ちゃんと狙ったとおりにいけてますね」
作業をはじめて1時間ほどになると、ガクッと自分の集中力が切れるのが分かりました。
猪口一周全部カットしたのではなく、2ブロックぶんのカットで体験終了です。
にやにや嬉しそうな私と先生。
カットが上に突き抜けたのはなんでだろう(笑)
「ありゃ?」とか言いながら人生初の薩摩切子のカットなので、センター(中央)が合ってるだけでも上等です。この段階では全体的にスモーキーな感じです。
ここまで作業して、後は専門の方の磨き上げにおまかせして、一ヶ月ちょっとで受け取りです。
そして…じゃん!
私の名前まで刻んで仕上げてくださいました。
家紋入りの化粧箱に入れて完成です。(※トップの画像)
こういう機会はめったにないということで、いつもお世話になっている磯工芸館のスタッフの皆さまに許可を頂き、実際の商品に紛れ込ませて一枚。
私はデザインの仕事を通じて、中根櫻龜先生の三越での作品展図録や、島津薩摩切子のカタログ制作などをさせていただいているのですが、自分でカットしてみることでより深みを感じることが出来たように思います。やっぱり島津薩摩切子は美しい。
改めて同一作品の見分けどころをご指南くださる櫻龜先生。
ものづくりに真摯に向かわれる、尊敬するよき先輩です。
そろそろ次回作品展の仕込み(仕事)が始まります…がんばります。