9月に入ってもまだまだ気温は高いまま。
最高気温が32〜35℃、最低気温も25℃を切らず、おまけに湿度が高いのですからたまったものではありません。
せめてあと5℃ずつ下がってくれて、からっと乾燥した空気であったなら良いのですが。
そんな人間のげんなり感とは裏腹に、なんと藪庭では秋の気配がそっと顔をのぞかせていました。
紫の線香花火は「ツルボ」です。
全体を写すことが出来ないくらい、草が生い茂っています。
かろうじて数回払った所だけは優しげな花が顔を出してくれていて、それはもうほんとうに小さな花ばかりで申し訳ないほど。
なんとタフで美しい野の花たち(笑)
クレマチスと同じキンポウゲ科の「センニンソウ」は、他所の道端や藪でこんもりと生い茂っているのを見かけては、羨ましく思っていました。
この夏はほんとうに放置していたので、今までだったら気づかないうちに刈り払われていたところから伸びてきたのだと思います。自分の藪庭にも生えるなんて、嬉しくって驚きました。
ひと枝手折ってみたら、柔らかな甘い香りです。
これはさっそく手を洗う小さな洗面所に挿しましょう。
そして、やはり目を引くのは、この彼岸花です。
この花が姿を表すと「どんなに暑くたって秋ですよ!」と言われている気がします。
この場所に越してきて初めて迎えた秋、庭のあちこちからいっせいに彼岸花が伸びだしてきて、それはもう魔法のような光景でした。
私は子供の頃からこの細くて赤い、美しい線を描く花が大好きで、実家である自分の家に咲いていないのがとても寂しかったのです。通学路の田んぼの畦にはたくさん咲いているし、家に咲いている子もいっぱいいました。
でもいくら植えたくても球根は売っていないし、勝手に折ってくるのは泥棒だし、花屋さんにも売っていないのがこの彼岸花でした。
ゆっくりと庭に出られるようになったら、「放ったらかしてばかりでごめんね」と声をかけながら、また藪庭をめぐろうと思います。