今までありそうでなかった私のお仕事。
それは「多言語対応」のデザイン。
初めて日本語・英語・フランス語・中国語・韓国語のパンフレットを同時にデザインさせていただきました。
まずはベースの日本語でデザインし、OKが出たところで翻訳したものを流し込む、という一見シンプルな作業なのですが。
脳味噌が蕩けるくらいの作業となりました。
まず、言語によって文字のボリュームが一気に変わるということ。
日本語と中国語、韓国語は、まぁまぁ同じ文字数なのですが、英語とフランス語は“ばんっ!”と増えてスペースに収まらない問題が発生。
斜体のかかったフォントにして文字を詰め、サイズもダウン。
その結果、なんだか文字の小さいオシャレかぶったデザインになったのは…ここだけの話(笑)
作業中は自分自身のデザイナーフィルターをかけながら、文字記載の間違いもチェックしてゆきます。
厳密に言うと、編集責任者や翻訳の方が完璧な情報整理をしていてくれることが前提で、デザイナーはデザインに徹していれば良いと思うのですが。
営業時間や定休日の書き方をきれいに揃えるとか、ガイドブックの基本なので、つい仕事の範疇を超えてねちねち見てしまうのです。
私自身も旅人なので、ここはなんとしても見る側の気持ちに応えたいのです。
英語と中国語は、それなりに勉強はしていたので、まぁ、分かります。
フランス語はアルファベットなので、単語の気配で勘が働きます。
韓国語は完全に暗号です。
解読不能でお手上げです。
こういうことを仕事として体験してみると、単語ごとに、文節ごとに対訳された翻訳原稿が欲しいと、切実に感じたのでした。
仕事って、仕事相手に対する思いやりの手渡しを繰り返しながら、仕上げてゆくものですから。
私自身も心がけてお仕事せねばです。
ともあれ、今まで外国語に翻訳されたパンフレットを手にするたび、「もっと読みやすいフォントや、整ったレイアウトにはならないものだろうか?」と心の中でぶーたれていたので、こうしてひとつ仕上げられたのは、とてもいい経験でした。
手に取る旅人へ伝わりますようにと、なんとも私に向いているお仕事であることがはっきりと自覚出来ました。
鹿児島から海外向けの商品パンフレットのお仕事、ないかなぁ。
出来れば現地打ち合わせありで(笑)
今回、この仕事を繋いでくださったコーディネーターさんの段取りの細やかさと、フットワークにも大きく助けられました。
もうワンセット、観光のパンフレットが現在進行中です。
こちらも気を抜かずに集中して仕上げてゆきます。