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令和の春

4月1日、仕事で移動する車をちゃんと停めて、その時を静かに見守っていました。
日本の新しい元号は「令和」と発表されました。

画面に現れた「令和」という文字を見て、素直に「美しい」と感じ、まだ風は冷たいけれど春の花が次々と開く今の季節と相まって、優しく心に残る瞬間となりました。

「明治」「大正」「昭和」はなんとなくゴシック系で文字を組みたい気がしますが、「平成」に続く「令和」は明朝系の書体がとても似合うように思います。

ネットからの受け売り情報ですが、チベット語で発音する「レイワ」は「希望」の意味があり、とても良い言葉なのだそうです。これから日本で続いてゆく元号を口にするたびに、希望も込められていると思えば、期せずして祈りの言葉を与えられたようでもあります。

さて、こうして穏やかな言葉を打っている私の実情はと申しますと、仕事の山がすでに山脈と化しており、藪庭に出たり、リコーダーのコンサートをやったりの一瞬の楽しみの他は、すべてが仕事に捧げられておりまする。
これではいけない、と誘われるままにお邪魔したお宅でお庭で花を摘ませていただき、丁寧なお夕飯を頂き、日本人でよかった…と泣きそうでした。

これは我が家のヒヤシンス。
ごってり固まって花をつける品種ではなく、何本もの細い茎が上がってくる咲き方です。

咲き始めの白が次第にほんのり、ピンクを帯びてきます。
そして、部屋に飾るとその香りがまた…強烈に臭いのです(笑!)去年の秋に植え込んで初めての開花ご対面だったのですが、どこをどうしたらこんな匂いを発するのかと頭を抱えてしまうほど。
小さなコップに活けて身近で愛でたいのに、どうやら薮庭で気ままに咲きたいという自己主張が強いヒヤシンスでした。

こちらは好みの似ている方のお庭で咲いている八重咲水仙。
500円玉くらいのポンポン咲きで、首筋も細く、巨大な八重咲水仙が苦手な私も一目惚れする愛らしさ。匂いは…普通(笑)
さっそく株分けのお願いをしてしまいました。
特に水仙は咲いている花そのものを見ないと、出回っている写真とは印象がまったく違ったりして、自己主張が強過ぎるものも多く、まさに「ナルキッソス」です。

こちらは最新の我が薮庭にしゃがんでみた視線です。
たくさんの芽吹きがまさに始まったところ。
薔薇の新芽も伸びはじめ、これからの季節の庭は、仕事なんかしていたらもったいないようなドラマティックな変化を見せてくれます。

仕事の速度を上げて、時間を確保して藪庭に逃げ込まねば。
ただでさえ鹿児島の春は短いのですから…。