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秋の野の花遊び

鹿児島にも秋が来ました!
と、宣言してもいいような気候がやってまいりました。
日射しはまだまだ厳しくて油断大敵、蒸し暑さを感じるような夜もあるけれど、今年はことのほか嬉しい秋の到来です。

十五夜に合わせて近くをくるっと散歩しながら、好きな野の花を摘んで歩くのが好きです。
欲張ってたくさん摘むのではなく、しっかり見極めて、美しい一枝を探すのです。

線の細い野菊が咲いていました。
藤袴は我が薮庭から一枝。


すすきの穂先には月の光が宿るのだそうです。
お盆の季節に飾るオミナエシの黄色い小さな花の先に、ご先祖様がちょこんととまるのだと聞いたことがありましたが、すすきには月光だなんて、今まで知りませんでした。
あいにくの雨模様の夜となりましたが、もちろん雲の上には満月があるわけなので、その効力(?)は同じなのだそうです。

薮庭もそろそろ夏の名残を抜かねばと、大きく育った紫蘇を刈り取りました。
汗ばむこともないうってつけの曇り空。
摘んだ先から干涸びてゆかないので、瑞々しいうちに「紫蘇の実の塩漬け」を作ることにしました。


部屋の中に新聞紙を広げ、100円ショップで買ってきた手袋をして、実をしごき取ります。
写真の通り、あっという間に指先が真っ黒!
素手でやってもいいのですが、お仕事で黒い指先というのも…ですね。

その後、ざるで2〜3回、水をくぐらせて汚れやホコリを流し、多めの塩をふってぎゅうぎゅう揉みます。灰汁を絞りきって、また塩を足して、さらにぎゅうぎゅう。
密閉容器にしっかり絞った紫蘇の実を入れ、飽和食塩水(水に塩が溶けなくなるまで混ぜたもの。わざわざ火を入れて溶かさなくても大丈夫)をひたひたになるまで注いだら完成です。

表面にラップなどをくしゃっと押し込んであげると、塩水によく浸かって緑の色が長く楽しめます。冷蔵庫で保存しますが、黒っぽくなっても風味はあまり変わらないので(ちなみに、いま私が使っているものは、3年くらい前に塩漬けにしたもの)、和え物やチャーハン、ご飯のお伴、たらこパスタなど、とっても重宝するのです。
指先でちょっとつまんで塩水を切り、すぐに使えます。

秋の夕暮れも、より美しく変化してきました。

これは、先日訪ねた先のお隣のゴルフ場の光景ですが、ゆっくりと空を見上げる時間をもう少しつくらなきゃなぁ…と思う最近です。美しい瞬間と静かに向き合うことで、身体の中に空気が通るような気がするのです。

秋から冬、そして次の春へ。
どんな景色と出会おうか、我が薮庭の景色をどう配置しようかしらと、本やカタログを眺めては妄想中。長い夜を楽しむ季節の到来です。